英国やぶにらみ第8話 クレジットカードは万能か? ― 2010/04/21 22:34
いつの頃か、クレジットカードが旅行者にとって便利で、現金と比べて盗難などにあっても安全度が高いとの事で普及しだした。 小生もロンドンのヒルトンホテルで盗難の被害にあってからは、クレジットカードの愛用者になり今日にいたっている。 ホテルでは確かに便利至極で、チェックインの際にカードを提示すれば、まずはその国の言葉を理解出来なくても投宿出来る。
ホテルで盗難にあっても、連中は何の保証もしてくれないし、その上、セキュリティーなどと称するでくの棒が治安を守っているというが、あれはホテルに被害がおきないように守っているのであって、間違っても泊り客の保安の為ではないと考えなければいけない。 小生の経験では、なんとホテル側では警察にも報告しなかった。 つたない外国語で現地の公安に出向き被害状況を話し、保険での保証の為の書類を入手するのに、ずいぶん時間を無駄にせねばならなかった。
日本では宮内庁の御用達、そして英国では王室御用達といった按配で、商人と取引先の間で昔から掛売の制度が普及しており、デパートなどでも、顧客にたいしてはお帳場制と呼ばれるシステムがあり、羽振りがよければ現金など持ちあるく必要がなかった。
また、集金制度が日本には定着しており、江戸時代から広く普及し、単にプラスティックに登録ざれた数字により信用度を評価する制度とは相手を信頼する度合が大いに異なる。
急激に普及しだしたクレジットカードのため、日本ではホテル、レストラン、商店、デパート、そして最近ではペンションや民宿までプラスティックマネーで支払いが出来るようになり、カード会社の宣伝では、カードがないと海外旅行が出来ないように信じ込まされる。
クレジットカード文化は、ご存知のとおりアメリカがその発祥の地で、サンフランシスコなどではヒッピーの露天マーケットまで1枚のプラスティックで支払いがOKだ。 あの国でカードがなかったら生活に事欠くに相違ないが、では英国ではどうだろうか。
勿論、ロンドンのホテルやデパート、レストランなどではほとんどのカードを受けいれ。 したがって、ロンドンだけで仕事が済むビジネスマンやエグゼクティブには便利だが、この国では一旦郊外にでると、風光明媚な田舎風ホテルや各地の町や村の1番の宿ではプラスティックマネーは拒絶にあう。 宿によっては案内に「当ホテルは、お客様にお支払い頂く代金めいっぱいのサービスをするのでクレジットカードはお断りします。」などと、堂々と表示しており、現金優先である。
当然乍ら、クレジットカードはカード会社がなにがしかの手数料を天引するので、実質の収入が目減りする。 それだけではなく、英国では付加価値税(VAT)の制度があり、通常15%を納税する。 小さな宿屋などではその計算も大変でややこしく、その上、クレジット会社の書類に振りまわされてはかなわないという。 さらに、地方のこれらの宿屋では、信用さえあればつけ売りを悦んでうける。 会社の接特などにも利用してもらい思恵を得る事の方が有効か無効かを心配しながら引き受けるカードよりも数倍安全と信じている。
そんな訳で、京都の古い宿屋とおなじで、いちげんの客などは、けんもほろろに断られたりするが、紹介があったり、得意先の接特客などにはなんとも丁重に応対してくれ、帰りがけにサインも要求しないところが英国では多く存在する。
一般市民だってあまりカードは重要でなく、現金が第一で、出かける時も忘れてる。 だいいち、憩いの場所であるパブなどではカードなんか相手にされない。 ポケットに穴があきそうな重い10ペンスを、もったいなさそうにカウンターの上に並べて払うのがブリティッシュというもんだ。
以外に思うかもしれないが、英国人は全て、お金は重いのがベストという思考があって、50ペンスや10ぺンスのあの重さが好きだ。 近年、使用が開始された新20ペンスと1ポンドコインは、不評さくさくで、釣銭で貰うのをいやがる。 こんな思想からしてペラペラのプラスティックマネーには、一種の拒絶反応をもっているように思える。 世の中、金が一番と思いしらされる。
アメリカンエキスプレス、VISAそしてACCESSが英国では代表するクレジットカードであり、いずれの会社もメンバー勧誘に競争がはげしい。 ところが大都市をのぞいては、カードホルダーが少なく、日本や米国のように普及していない。
さらに、不良力ードが内外から多く持ち込まれるロンドンなどでは、少額の買物でもキャッシャーがクレジット会社に連絡をとり、照会、承認の手統きをする。 その為に、例によって出来ている行列がさらに長くなるなど、クレジットカード本来の目的である決済の簡略化、スピードが逆行をはじめており、さらに不人気に拍車をかけている。
ロールスロイスを自家用車とする人に、日本製のクレジットカードと同じサイズの計算器を贈った。 カードと共にご利用下さいと言葉を添えて。 その返事いわく、……クレジットカードを使ったことがないので共に持って歩けぬが、計算器は毎日ポケットに入れて愛用します…と。(荒井利治)
Copyright (c) T.Arai, 1986. All rights reserved.
ホテルで盗難にあっても、連中は何の保証もしてくれないし、その上、セキュリティーなどと称するでくの棒が治安を守っているというが、あれはホテルに被害がおきないように守っているのであって、間違っても泊り客の保安の為ではないと考えなければいけない。 小生の経験では、なんとホテル側では警察にも報告しなかった。 つたない外国語で現地の公安に出向き被害状況を話し、保険での保証の為の書類を入手するのに、ずいぶん時間を無駄にせねばならなかった。
日本では宮内庁の御用達、そして英国では王室御用達といった按配で、商人と取引先の間で昔から掛売の制度が普及しており、デパートなどでも、顧客にたいしてはお帳場制と呼ばれるシステムがあり、羽振りがよければ現金など持ちあるく必要がなかった。
また、集金制度が日本には定着しており、江戸時代から広く普及し、単にプラスティックに登録ざれた数字により信用度を評価する制度とは相手を信頼する度合が大いに異なる。
急激に普及しだしたクレジットカードのため、日本ではホテル、レストラン、商店、デパート、そして最近ではペンションや民宿までプラスティックマネーで支払いが出来るようになり、カード会社の宣伝では、カードがないと海外旅行が出来ないように信じ込まされる。
クレジットカード文化は、ご存知のとおりアメリカがその発祥の地で、サンフランシスコなどではヒッピーの露天マーケットまで1枚のプラスティックで支払いがOKだ。 あの国でカードがなかったら生活に事欠くに相違ないが、では英国ではどうだろうか。
勿論、ロンドンのホテルやデパート、レストランなどではほとんどのカードを受けいれ。 したがって、ロンドンだけで仕事が済むビジネスマンやエグゼクティブには便利だが、この国では一旦郊外にでると、風光明媚な田舎風ホテルや各地の町や村の1番の宿ではプラスティックマネーは拒絶にあう。 宿によっては案内に「当ホテルは、お客様にお支払い頂く代金めいっぱいのサービスをするのでクレジットカードはお断りします。」などと、堂々と表示しており、現金優先である。
当然乍ら、クレジットカードはカード会社がなにがしかの手数料を天引するので、実質の収入が目減りする。 それだけではなく、英国では付加価値税(VAT)の制度があり、通常15%を納税する。 小さな宿屋などではその計算も大変でややこしく、その上、クレジット会社の書類に振りまわされてはかなわないという。 さらに、地方のこれらの宿屋では、信用さえあればつけ売りを悦んでうける。 会社の接特などにも利用してもらい思恵を得る事の方が有効か無効かを心配しながら引き受けるカードよりも数倍安全と信じている。
そんな訳で、京都の古い宿屋とおなじで、いちげんの客などは、けんもほろろに断られたりするが、紹介があったり、得意先の接特客などにはなんとも丁重に応対してくれ、帰りがけにサインも要求しないところが英国では多く存在する。
一般市民だってあまりカードは重要でなく、現金が第一で、出かける時も忘れてる。 だいいち、憩いの場所であるパブなどではカードなんか相手にされない。 ポケットに穴があきそうな重い10ペンスを、もったいなさそうにカウンターの上に並べて払うのがブリティッシュというもんだ。
以外に思うかもしれないが、英国人は全て、お金は重いのがベストという思考があって、50ペンスや10ぺンスのあの重さが好きだ。 近年、使用が開始された新20ペンスと1ポンドコインは、不評さくさくで、釣銭で貰うのをいやがる。 こんな思想からしてペラペラのプラスティックマネーには、一種の拒絶反応をもっているように思える。 世の中、金が一番と思いしらされる。
アメリカンエキスプレス、VISAそしてACCESSが英国では代表するクレジットカードであり、いずれの会社もメンバー勧誘に競争がはげしい。 ところが大都市をのぞいては、カードホルダーが少なく、日本や米国のように普及していない。
さらに、不良力ードが内外から多く持ち込まれるロンドンなどでは、少額の買物でもキャッシャーがクレジット会社に連絡をとり、照会、承認の手統きをする。 その為に、例によって出来ている行列がさらに長くなるなど、クレジットカード本来の目的である決済の簡略化、スピードが逆行をはじめており、さらに不人気に拍車をかけている。
ロールスロイスを自家用車とする人に、日本製のクレジットカードと同じサイズの計算器を贈った。 カードと共にご利用下さいと言葉を添えて。 その返事いわく、……クレジットカードを使ったことがないので共に持って歩けぬが、計算器は毎日ポケットに入れて愛用します…と。(荒井利治)
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